小説を書いていらっしゃる方で、初めてシナリオに挑戦してみようと思われているかたもいるかと思うので、この二つの違いについて考えて見ます。
「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」
有名な夏目漱石の坊ちゃんの冒頭部分ですが、もし、こんな原作をもらったとし
たら漫画家さんは、どうするでしょうか。
主人公のイメージは沸きます。
イメージは沸くけれどどう映像で表現したらいいかわからないのではないでしょ
うか。
小説は文章によって表現するものですが、漫画は映像(絵とコマワリ)で表現し
ます。
だから、シナリオも映像が浮かぶように書かなければなりません。
小説は読者にイメージが伝わればいいので曖昧な言葉を使っても許されますがシ
ナリオは、許されません。
映像が浮かぶように具体的に書くのがシナリオです。
逆に言えば、小説だと一言ですんでしまうことをどうやって映像で表現するかを
考えるのがシナリオの面白さでもあるのです。
もうひとつ言えるのは、シナリオは小説に比べて制約が多いということです。
決められた予算(漫画の場合は制作時間)や枚数の中で表現をしなければいけな
いので、その中でドラマを凝縮して描く必要があります。
そのために省略(描かないことで伝える)という手法が使われます。
また、映像を積み重ねたり、並べ替えたりすることで小説には真似の出来ない独
自の表現が可能です。
小説は完成品ですが、シナリオは漫画という完成品をつくるための設計図でしか
ありません。共同作業の中の一工程に過ぎないと言ってしまえば身も蓋もないです
が、一番重要な心臓部を担っていることは確かです。
とにかくシナリオがないとなにもスタートしないのですから。
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